皆さんは、SDGsという言葉を聞いたことはありますか?
最近は、世間的にもSDGsの認知度が高まっており、「SDGsって何?」という人は、あまりいないのではないでしょうか。日本でSDGsに取り組む企業は増えてきていますが、中小企業に限定するとSDGsの認知度と取り組みはまだまだ改善の余地があるようです。
本記事では、これからSDGsのイベントを開催することで取り組みを始めたい方のために、企業がSDGsのイベントを開催するメリットと注意点をご紹介いたします!
SDGsイベントを開催する前に

SDGs(持続可能な開発目標)とは?
本題に入る前に、SDGsとは何かもう一度おさらいをしましょう。SDGsとは、日本語で「持続可能な開発目標」と言います。この目標は、2030年までに人と地球にとってより良い世界を構築するために作られた17の目標と169のターゲットで構成されています。
「誰一人取り残されない」というミッションのもと、SDGsが目指すのは、サステナブルな未来です。SDGsは、国連加盟国のうち193か国により支持されています。そしてSDGsに取り組むことは、国の政府だけでなくビジネスや組織にとっても価値があるものです。国連は、企業のSDGsの取り組みを促進するために、SDGsをビジネスモデルに組み込んだり、企業の貢献度を示すための枠組みを提供しています。
日本の中小企業のSDGsへの取り組み

SDGsやCSRに取り組むとなると現在のビジネスモデルや計画に何らかの変更加える必要があるため、資金と労力が必要になりそうですよね。そのため、大企業のように余裕のある企業でないとSDGsに取り組むことは難しいと考えがちです。
2020年に経済産業省が中小企業を対象に行った調査によると、「SDGsに取り組んでない」と回答した企業は91.8%でした。取り組んでいない理由としては、「何から取り組めばいいかわからない」、「国連が採択したもので自社には関係がない」、「大企業が取り組むべきもので自社には関係がない」という答えが多く挙げられました。
では、取り組んでいる企業はどのような意義のもとSDGsに取り組んでいるのでしょうか?理由として多く挙げられたのは、「社会的責任において重要である」や「取引先の新規獲得などビジネスチャンスの拡大に資する」などでした。
企業がSDGsに取り組むことのメリットは?
BCTA(ビジネス行動要請)によると、SDGsは「ビジネスチャンスへの道しるべ」になると考えています。では、なぜSDGsは、企業にとって重要なのでしょうか。ここでは、2030 Buildersの提唱する5つの理由を紹介します。
1. 新しい市場開拓のチャンスになる
デンマーク外務省の調査によると、持続可能な開発目標は、2030年までに世界で12兆ドル相当の新しい市場の機会を創り、3億8千万の新しい雇用を創出すると予想されています。
2. 従業員のエンゲージメントが向上する
Cone Communicationsの研究によると、ミレニアル世代(1981年~1996年生まれ)の4分の3がCSRに取り組んでいる企業で働くためならお給料が減っても構わないと回答しました。全ての世代においても、SDGsがビジネスモデルに組み込まれている企業で働きたい従業員は増加しています。そのため、SDGsに取り組むことで従業員の満足度を高めることもできるのです。
3. リスクを管理できる
日本を含めたSDGsを支持している国々は、2015年のSDGs採択後に国内の基盤整備に取り組み始めました。その結果、ビジネスの透明性や説明責任、環境責任に対するルールが厳しくなりました。そのため企業は、自らSDGsに取り組むことで常にルールを守り、ビジネスパフォーマンスを安定させることができるのです。
4. 原材料や経営資源の節約や最適化につながる
SDGsのもう一つのメリットは、コストを削減できるということです。水やエネルギーの使用量を減らすことで環境へ配慮できるだけでなく、コストまで削減できます。また、サステナビリティに敏感な消費者は、より高いお金を払ってでも環境に優しい商品を買うため、経営資源の最適化にもつながります。
5. 競合相手より一歩先を行くことができる
SDGsは、企業にとって実に多くのメリットがあることに気づいて取り組みを始めている企業は増えています。北欧の企業の約80%はSDGsに既に取り組んでおり、今後もさらに増加すると見込まれています。なぜなら、サステナビリティを気にする消費者が今後さらに増えていくと予想されているためです。そのため、そんな消費者のニーズにいち早く答えることで、競合相手の一歩先をいくことができます。
SDGsイベントを行う際の3つの注意点
1)SDGsイベントを参加者目線で企画する

SDGsと言うと、買い物をする時にスーパーのビニール袋を貰わずに、エコバックで買い物したり、ゴミを出さないようにして海や山などの環境を守るといったイメージがあるかもしれません。ただ、実際に国連で採択されたSDGsは17項目169ターゲットあり、その中には人権やジェンダー平等などの環境以外のことも含まれています。SDGsに取り組んだつもりが、知らぬ間に目標を妨げるようなイベントを開催してしまうと、信頼を失ってしまう恐れがあります。そのため、SDGsの目標について理解しておくことは非常に重要です!
その他イベント成功の秘訣は、こちらのブログも参考に!
Doorkeeperの考察・ヒントなどからわかる成功するイベントの作りかた
SDGsの押し売りイベントにならないように
SDGsに取り組むにあたり、イベントの効率性や本来の趣旨を捻じ曲げてまでSDGsを全面に押し出すべきかは疑問です。大袈裟にSDGsアピールを行うのではなく、普段と変わらないようで実は環境配慮が出来ている、というくらいがイベント企画においてセンスが光る部分ではないでしょうか!
あれもこれもSDGsとアピールされると「なんか環境配慮をアピールしているようで、過度なコスト削減で利益を出したいだけなんじゃないか…」などと疑念が生まれてしまいます。
お金のためではなく、SDGsに賛同したイベント企画を行っているという説明をして、イベント参加者にも理解してもらいましょう。
2)SDGsのアピールや参加者への協力を呼びかけるなら、イベント内で見える化しよう

SDGsの成果が見える化されるイベント
イベントにうまくSDGsを組み込む方法の1つとして、協力してもらう理由を見える化することがあります!
例えば、ペーパーレスやプラスチックレスをアピールしたいなら「前回のイベントより○%のプラスチックを削減しています。」と、数字で証明できれば、信憑性があり参加者としても納得できます。
また、イベントで使われた廃材が「こちらの廃材は、イベント終了後にリサイクルされて、○○になります。」と過程を解説したり、リサイクルに協力すると行政コストがいくら削減できるか等お知らせするのも良いです。このようにして目に見えて楽しめる工夫があると、参加者も楽しんでイベントに参加できるはずです。
お金やポイントとSDGsを上手く組み合わせる
「○%のプラスチックが削減できます」と言っても、時間やお金が余計にかかるなら、協力しようと思う人は少ないでしょう。しかし、協力するとお得なポイントが貰えたり、景品と交換できるなら積極的に協力したいと思う人が増えるはずです。
サステイナブル(持続可能)というように、環境の為に何もかも捧げて、実生活が不便になってしまっては意味がありません。経済的な利益と環境配慮などが上手く組み合わされて、循環していくような企画を目指していきたいですね。
3)自社がSDGsを守っていないと思われないように

イベントを行う前にSDGsについて理解しよう!
SDGsや環境配慮をアピールすると企業のイメージアップに繋がることは世間でよく知られています。しかし、中身が伴っていなければ消費者に賛同してもらえないでしょう。
前述したように、SDGsは環境配慮だけではなく人権・貧困・ジェンダー平等なども含まれます。例えば、SDGsのイベントを開催している企業の役員が全員男性であったり、高齢者や身体が不自由な方の参加が難しいイベントを企画してしまうと、SDGsに理解がないと思われても仕方ありません。
SDGsに取り組む際には、表向きだけでなく社内から意識改革を進めていくことがベストです!さらに、イベント企画として組み込む以上は中途半端にならないように、真剣に取り組んでいる姿勢をアピールしたいですね。
SDGsを企業文化に
最近の日本では、SDGsやDX(業務効率化)などが言葉だけが先行しがちです。そのような言葉が流行すると、ブームに乗って軽い気持ちで賛同する企業もあれば、焦りから急いで本腰を入れて取り組む企業も増えます。このような企業の中には、詳しくSDGsについて理解していなくても、やっているように見せて満足してしまう企業も見受けられます。
当然ながら、そのような感覚でSDGsをイベント企画に組み込んでも良い成果が出るとは思えません。むしろ執拗にSDGsをアピールすることで、「前までは全然やってなかったのかな?」と疑問を持たれてしまう可能性さえあります。
日本のような先進国の一企業であれば、SDGsは当然意識するものとしての認識が必要でしょう。その上で、持続可能でユニークなアイデアが求められているように感じます。
SDGs まずはできるところから!

デジタル化でゴミの削減
有料・予約イベントの場合、チケットが紙であるとイベント参加者の数だけ大量の紙が使われることになります。想像しただけでも、とんでもない資源を無駄にしている気がしますね。入場が終わってしまえば、お役御免でゴミ箱行き。思い出としてチケットを保管する人もいるとは思いますが、かなり少数派でしょう。そんな資源を無駄にして勿体ないことをしているようでは、SDGsに賛同していると胸を張って言えません。
では、どうすれば良いのでしょうか。答えはもちろん、紙を使わずデジタル化です。
「でも、チケットのデジタル化ってどうしたらいいの?」
そんな方には、イベント管理システム「Doorkeeper」をオススメします。オンラインでチケットを購入した後は、スマートフォンを利用したQRコードによる受付が可能です。導入すれば、その日からイベントのチケットを紙にする必要はありません。
※【DoorkeeperのQRコード受付に関する説明はこちら】
事前のニーズ調査で過剰在庫を無くす!
Doorkeeperには「アンケート機能」があり、イベントの申込み段階でイベント参加者のニーズを知ることが出来ます。
もし、展示会で試食を準備したり、来場者へ数種類のグッズを用意する場合、味やデザインで需要が偏ることもありますよね。どれだけ数を準備すればいいかわからない場合、「アンケート機能」を自由にデザインして、参加者が食べたい試食の味や、欲しいグッズをあらかじめ把握することができるのです。
これでもう不安から過剰在庫を抱えて、無駄な廃棄を出すこともありません。ここまですれば、胸を張ってSDGsに則ってイベントを運営していると言えますね。
【Doorkeeperのアンケート機能の詳細はこちら】
まとめ
SDGsをイベント企画に組み込むなんて、「何か特別なことをやらないといけないのかな…」と思われた方もいるかもしれません。
ただ、日本人なら文化的に根付いているような「ゴミをなるべく出さない」や「高齢者や体の不自由な方に優しく」といった道徳の延長で充分に対応できるように思えます。
そこにイベントらしく参加者が楽しめる工夫や、積極的にSDGsに賛同したくなる働き掛けの中に、企業の特徴をどれだけ盛り込めるのかがポイントですね。
過度なアピールではなく、信憑性を持たせて影からプッシュしていく塩梅が難しいところですが、失敗を恐れずにトライしてみてください。
数多くのイベントをサポートしてきたDoorkeeperも、御協力させて頂きます。