(※この記事は、2023年10月19日に更新されました。)
「コミュニティマーケティングの顧客コミュニティとは?」
「コミュニティマーケティングを行うポイントは?」
「コミュニティマーケティングはなぜ注目されている?」
この記事は、コミュニティマーケティングについて上のような疑問をお持ちの方に向けて書かれています。
本記事は、コミュニティマーケティングの概要、コミュニティマーケティングはなぜ注目されているのか、コミュニティマーケティングを行うメリットなどについてご紹介いたします。
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Table of Contents
顧客コミュニティとは
顧客コミュニティは、顧客と企業、あるいは顧客同士の交流を深める場です。コミュニティ内では、たとえば以下のような活動が行われています。
疑問の投稿、回答の投稿
商品やサービスに対するレビューやアンケート
気軽な雑談
レシピの投稿
そのほか投稿数に応じて会員ランクが決まる、ポイントを貯めてプレゼントに応募できるなど、コミュニティによってさまざまな特徴があります。
顧客コミュニティを開設するのは企業ですが、コミュニティの主体となるのは顧客です。企業からの一方的な情報発信ではなく、双方向のやり取りができます。
また、「ユーザーコミュニティ」「消費者コミュニティ」などと呼ばれることもあります。
企業が運営するSNSとの違い
SNSを運営する企業も多いですが、顧客コミュニティとSNSの違いは以下の2点です。
目的を持った運営が可能
情報の蓄積が可能
SNSの場合は、企業が参加者やルールを選ぶことはできません。情報発信の場としては有効ですが、それ以外の目的を持って運営するのは難しいでしょう。
一方で顧客コミュニティは、企業が目的を持って運営できるため、目的に合わせたルールの設定、必要なコンテンツの追加も可能です。コメント機能などを使えば、顧客とのやり取りも気軽にできますね。
またコミュニティ内に質問と回答記録を残しておけば、その情報は他のメンバーも閲覧できます。情報を蓄積して後から参照できる点も、SNSとの大きな違いです。
コミュニティマーケティングの成功には顧客コミュニティが必要
近年ではSNSが普及して顧客の発信力が高まったことや、従来のマスマーケティングの効果が薄れ始めたことから、マーケティング手法を見直す企業が増えてきました。そこで注目されているのが、コミュニティマーケティングという手法です。
コミュニティマーケティングとは何か
従来のマーケティングは、テレビCMや新聞広告などを主なツールとするマスマーケティングでした。一度で多くの顧客にアプローチできる点はメリットですが、興味のない顧客に届いても売上につながらないうえ、近年ではテレビや新聞をとらない人も増えているため、効果が薄れるようになったのです。
それに対してコミュニティマーケティングとは、既存顧客にアプローチすることで、新たな顧客を増やしていくマーケティング手法です。コミュニティを通じて商品・サービスをPRする手法と言い換えてもよいでしょう。商品・サービスに興味のある層に対し、適切な情報を届けることで、マーケティングにつなげます。
コミュニティマーケティングが注目される理由
コミュニティマーケティングの大きなメリットは、口コミやレビューなど、実際の顧客の声を届けやすい点です。企業が発信する広告よりも商品やサービスの信頼度が高まるため、新たな顧客を呼び込むには効果的なのです。
またLTV(Life Time Value:1人の顧客から得られる生涯利益)の向上も重要です。近年ではサブスクリプション型のサービスが増えていることもあり、顧客の解約率を下げること、つまり既存顧客に長く商品やサービスを使ってもらうことが大切になります。
コミュニティ内では顧客とのコミュニケーションがとりやすく、顧客が企業に対して愛着を持ちやすいため、既存顧客のLTVの向上にも役立ちます。
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顧客コミュニティのプラットフォーム5つ
次に、顧客コミュニティのオフライン、オンラインプラットフォームを5つご紹介いたします。
1. ブログ記事を投稿する
企業がサービスや商品に関するトピックや業界に関するトピックのブログ記事を書き、投稿することは、新規顧客獲得のマーケティング手法としても利用されています。
加えて、この企業ブログに顧客がコメントを残すことを可能にすることで、顧客の意見を知ることができたり、顧客同士のディスカッションの機会を与えることができるようになります。
2. お客様アンケート
アンケートは、サービスや商品の改善に役立つ顧客のフィードバックを集めるための手段としてよく使われています。
このようなお客様アンケートを投票型にしてみたり、アンケートの結果をダッシュボードで公開するなどすることで、顧客が意見を寄せるプラットフォームを作成することができます。
3. メール
長い間自社のサービスや商品のユーザーへメールで意見を求めることもできます。新規顧客ではなく、すでにロイヤルな顧客を選ぶことで、より正直なフィードバックを得ることができるでしょう。
4. 意見交換会
一部の顧客と企業の担当者が商品やサービスに関する意見を交換しあうことで具体的な顧客の意見をよく理解することができます。
さらに、顧客は企業によって意見を尊重されているということを改めて実感することができます。
5. ソーシャルメディア
近年では、ソーシャルメディアプラットフォームは、企業にとって顧客の声や意見を集めることができる非常に便利なチャンネルとなりました。
ソーシャルメディアにおいて顧客コミュニティを構築することで、最新情報の投稿、ハッシュタグで宣伝、写真の共有、コメントなどを通して顧客と企業、顧客同士で交流を図ることができます。
参考:Customer Community: Definition, Methods & Why You Need It
顧客コミュニティの事例5選
ここでは顧客コミュニティの事例を5つご紹介します。それぞれの目的や運営方法を比較し、参考にしてください。
①赤ちゃんのいる暮らしのコミュニティ|子育てに関わる方は誰でも参加可能
開設:2023年
運営:株式会社赤ちゃん本舗、クオン株式会社
プラットフォーム:絆のコミュニティ
「赤ちゃんのいる暮らしのコミュニティ」は、妊娠や出産、子育てについて語り、考える場として誕生しました。
プレママ・プレパパ・子育て中の方はもちろん、子育ての先輩や子育てのサポーターなど、さまざまな立場から参加可能です。
他の参加者に伝えたいことや聞きたいことがあれば、掲示板にトピックを立てることができます。
投稿されたトピックには、コメントや拍手を残すことができるので、気軽にコミュニケーションがとれますよ。またコミュニティ内ではイベントも開催されるので、楽しみながら参加できます。
②オールブラン腸活部|商品のファンによるファンのためのコミュニティ
引用:オールブラン腸活部
開設:2023年
運営:日本ケロッグ合同会社
プラットフォーム:commmune
「オールブラン腸活部」は、「オールブランファンとコミュニケーションをとりながら、より多くの方にオールブランの魅力を感じてほしい」という想いの元で開設されました。
「腸活部」という名の通り、参加者は「部員」と呼ばれる点も特徴的です。
部員はレシピの投稿や雑談を楽しみつつ、運営が発信する最新情報に触れることができます。
「腸活のためにオールブランを5日間食べる」などのイベントも開催されていますが、部員同士で励まし合うことで、楽しみながら挑戦できそうですね。
③ホットクック部|COCORO IDと紐づいているので便利かつ安心
開設:2020年
運営:シャープ株式会社
プラットフォーム:commmune
「ホットクック部」へ会員登録するには、「COCORO ID」の取得が必要です。
シャープの他サービスでも使えるIDなので利便性が高いうえ、「荒らし」が出るリスクも少ないといえるでしょう。
WEBブラウザから利用することもできますし、アプリストアから無料でダウンロードして利用することもできます。
コミュニティ内にはレシピの投稿やホットクックの活用術、悩み相談や雑談などのコンテンツがあります。
SNSのようにコメントやリアクションができるので、使いやすい点も魅力の一つです。
④Tesla Engagement Platform|形態を変えつつ続くコミュニティ
開設:2021年
運営:Tesla
Teslaは以前からオーナー向けのフォーラムサイトを運営していました。ただフォーラムサイトの管理者が不足していたこともあり、「荒らし」のような投稿も目立っていたようです。
そこで2021年にフォーラムサイトは閉鎖されることとなり、新しくTesla Engagement Platformが設立されました。
Tesla Engagement PlatformではTeslaの最新情報に触れることができ、SNSと同様にコメントや「いいね」などの機能も付いています。
また日本のテスラオーナー向けには「TOCJ」と呼ばれるコミュニティがあり、定期的にオフ会なども開催されています。
参考:Tesla launches a social platform and is closing its forums - The Verge
⑤.SWOOSH|Web3を活用したデジタルコミュニティ!
開設:2022年
運営:NIKE
プラットフォーム:Web3
「.SWOOSH」は仮想空間で楽しめるデジタルコミュニティです。
さまざまなコンテンツが用意されており、バーチャル上で靴やジャージなどの商品を身に付けられるほか、デザイナーと話すチャンスなども得られるかもしれません。
2023年10月には、登録者限定でアイテムの発売も始まりました。
まだ始動して間もないプロジェクトであり、日本まで広がってはいませんが、今後どのように展開していくのか楽しみですね。
顧客コミュニティを作るメリット
顧客コミュニティの開設は、コミュニティマーケティングの成功につながります。そして顧客コミュニティを作るメリットは、それだけではありません。
カスタマーサクセスを実現できる
カスタマーサクセス(Customer Success:顧客の成功)とは、顧客が商品やサービスを使って、目標達成や自己実現などの成功体験を積むことです。顧客満足度を高め、LTVを最大化することが目的となります。
似た言葉に「カスタマーサポート」がありますが、これは顧客の声を聞き、それに対してアクションを起こすものです。一方でカスタマーサクセスの場合は、企業が積極的に動いてアクションを起こします。
ユーザーの疑問を解決する
商品・サービスの活用方法を提案する
ユーザーの声を吸い上げる
これはカスタマーサクセスの一例ですが、いずれもコミュニティ内で実現することができます。
顧客エンゲージメントを強化できる
顧客エンゲージメントとは、顧客と企業の結びつきを表す指標です。商品・サービスに対して評価する「顧客満足度」と違って、企業に対する信頼感や愛着を表します。
近年では商品・サービスの独自性が薄れ、コモディティ化しています。だからといって価格競争を激化させてしまえば、企業の収益は落ち込むでしょう。そこで顧客エンゲージメントを高め、顧客と継続的な関係を築くことが重要視されているのです。
顧客コミュニティがあれば、顧客同士の交流が可能です。知識の共有や雑談を重ねるなかで帰属意識も育まれ、顧客エンゲージメントが強化されていきます。
顧客の声を運営に活かせる
企業にとっては、顧客とのコミュニケーションがとりやすい点もメリットです。顧客のリアルな意見を聞くことができれば、企業は商品やサービスの改善、新商品の開発などにつなげられます。
顧客にとっても「自分の意見が企業に届いた」と感じられるため、エンゲージメントの強化につながるでしょう。
人手不足を解消できる
顧客からの問い合わせ数が多く、カスタマーサポートやコールセンターが人手不足になっている企業は少なくありません。ホームページにFAQやチャットボットを設置しているにも関わらず、活用されていないケースもあります。
一方で顧客コミュニティが注目される理由の一つに、少人数でも運営可能という点が挙げられます。コミュニティ内では顧客が主体となって活動しており、多くの疑問は顧客同士で解決できます。
もちろんルールを守って運営するためには、企業側のコミュニティスタッフも必要です。ただ、スタッフが中心となってコミュニティ運営する必要はないため、少人数でも対応できるのです。
顧客コミュニティ運営の課題と対策
メリットの多い顧客コミュニティですが、運営するうえでいくつかの課題もあります。ここでは3つの課題と、その対策についてご紹介します。
課題①思うように利用が広がらない
顧客コミュニティを開設しても、なかなか利用が増えないことがあります。参加者が増えない、コミュニティが盛り上がらないという状況では、コミュニティのメリットを得ることができません。
この場合の対策として、たとえば2つの方法が考えられます。
顧客同士が交流する場を設ける
特典を付けて利用を促す
現段階で企業発信のコンテンツがメインであれば、掲示板のように顧客同士の交流の場を作るとよいでしょう。多少時間がかかっても、自然と顧客同士のコミュニケーションが増えていくはずです。
あるいは利用を促すために、投稿数に応じた特典を付けるという方法もあります。特典の条件や内容を工夫すれば、利用者を増やしていくことも可能です。
課題②費用対効果が見えない
顧客コミュニティを運営するには、ある程度のコストがかかります。その反面、効果を数値化することが難しく、コストに見合った効果があるのか疑問に思う方もいるかもしれません。場合によっては「効果が薄い」と判断され、コストが削減される可能性もあります。
費用対効果を可視化するには、KPIの設定が有効です。KPIとは「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要業績評価指標」とも呼ばれます。以下はKPIの一例です。
参加人数
投稿数
顧客満足度
問い合わせ数
KPIを見れば、コミュニティの効果を可視化することができます。コミュニティの目的や内容に合わせ、適切なKPIを設定してください。
課題③炎上対策が難しい
顧客が中心となって投稿するからこそ、炎上対策が難しい点も課題です。炎上まではいかなくとも、不適切な投稿を繰り返すメンバーが出てしまうとコミュニティの継続が難しくなってしまいます。
あらかじめコミュニティのルールを明確にしておくことが大切ですが、それだけでは防ぎきれないこともあるでしょう。そんな時は、個人情報と紐づけて登録するのも一つの手です。登録時に個人情報の入力が義務付けられていれば、「荒らし」をする人は減ります。
またコミュニティの運営は、短期間で成果が出るものではありません。長期的な視点を持って取り組むようにしてください。
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以上、本記事ではコミュニティマーケティング、顧客コミュニティとは何か、コミュニティマーケティングが注目される理由、顧客コミュニティのプラットフォーム、メリット、そして、顧客コミュニティの事例などをご紹介いたしました。
顧客コミュニティを始めるなら、Dookeeperがおすすめです。Doorkeeperは、コミュニティベースのイベント運営・管理ツールです。コミュニティメンバーへのメール一斉送信やフォトギャラリー、イベントのチケット発行、などコミュニティの運営に欠かせない機能がつまっています。
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