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PayPalを使ったイベント決済のサポート終了のお知らせ

2018-10-02(火)

Doorkeeperでは、PayPalとStripe経由でのクレジットカード払いという2通りのオンライン決済方法を提供してきました。しかし、残念ながら、PayPalではそのサービスの質に関わる問題を繰り返し経験し、また、今後それが改善されることが予想できる確たる証拠もありません。Doorkeeperを利用するイベント主催者や参加者にとって快適なサービスを今後PayPalが提供してくれることを確信できないことから、クレジットカード決済をStripeのみで対応すべくPayPalのサポートを終了することに決定しました。

私たちのデータによれば、PayPalではなくStripeを採用しているイベントにおける決済完了率が最も高いことから、この変更はDoorkeeperに関わるすべての人にとって有益であると考えています。また、先日発表した毎回クレジットカード情報を入力しなくても、イベントの支払いができる新機能により、Stripe経由の決済完了率はさらに高くなるのではないかと予想しています。

この発表と同時に、すべてのコミュニティにおいて新しいPayPalアカウントとの連携はできなくなります。すでにPayPalアカウントと連携しているコミュニティにおいては、2018年11月7日より前に公開されたイベントにおいては引き続きPayPal経由での支払いは対応されます。11月7日以降に公開されたイベントでは、PayPalを使っての集金はできなくなりますので、Stripeアカウントと連携していただく必要があります。

イベント主催者がStripeを設定するには

Stripeのアカウントは、5分程度で作成することができます。また、作成後すぐにVisa、マスターカード、アメリカン・エクスプレスのカードでの支払いを受け取ることができます。JCBカードでの支払いを受け取るためには、追加で申し込み手続きが必要となり、手続き完了までに約3週間かかります。Stripeアカウントの設定方法やJCB対応のための手続きなどの詳細は、こちらでご確認いただけます。

PayPalで生じたサービスの質に関わる問題

イベントへの支払いを扱う上で重要なことの一つは、いかに瞬時にそれを処理するかということです。参加者はイベントが始まる数時間前(あるいは数分前)にチケットを購入することがよくあります。そのため、支払い時に問題が発生してしまった場合、イベント開始までに問題を解決するのに十分な時間があるとは限りません。よって、支払いにおける問題をできるだけ回避するというのは、特に重要だというわけです。

Doorkeeperでは、支払い決済を極めて重要視しています。今後はまったく問題が発生しないということを保証できるわけではありませんが、決済に関わる連携状況を幅広くテストし、発生した問題についてはすべて公表するようにしています。

しかし、Doorkeeperとしてはできる限りの努力をしていても、残念ながらPayPalの製品とサービスは私たちの品質基準には満たないものでした。

例えば、最近生じた問題では、PayPal側で生じたバグが明らかな原因だったにもかかわらず、PayPal社内の調査担当開発者にその問題が報告されるまでに一週間を要しました。さらに、PayPal社内ですでにログが消去されていたとの理由により、最終的には調査自体を放棄し、再度同じ問題が発生するのを待つよう私たちに連絡がありました。

この問題の他にも、PayPalのAPIから送信されるステータス項目の数値が不規則的に変更される(たいていの場合は「COMPLETED」とすべて大文字であるのに、まれに「Completed」と最初だけ大文字になる)という問題や、「memo」項目に一定の文字が使用されるとPayPalのAPIがクラッシュする問題などがありました。

これらの問題の本質、そしてそれらに対する彼らの対応は、PayPalではサービスや製品の品質が最重要基準であると認識されていない企業文化である、と思わざるをえないものでした。

PayPalでは決済完了率は向上しない

PayPalをサポートすることで、イベント参加費の決済完了率が劇的に増えていれば、上記のような問題があったとしてもサポートを継続する意味はあると思います。

しかし、PayPal経由での支払いを受け続けることによって、参加者が支払いを完了する比率が向上することを示す証拠は何もありません。それどころか、実際にはその逆のことを示すデータが見つかりました。PayPalでの支払いを受け付けているイベントでは、より低い決済完了率だったのです。下の表は、Doorkeeper上で最近公開されたイベントへのすべての申し込みにおける決済完了率です(会場払いと前払いを選択できるイベントも含む)。

PayPal Stripe 決済完了率
使用可 使用可 90%
使用可 使用不可 89%
使用不可 使用可 93%

もっとも決済完了率が高い(93%)のは、PayPalでの支払いを受け付けておらず、Stripeでの支払いだけが可能なイベントです。PayPalとStripeの両方で支払いができるイベントは、それよりも低い完了率(90%)となっており、PayPalだけを採用しているイベントが一番低くなっています(89%)。

この数値の比較には、PayPalとは関係のない要素が反映されている可能性もあります。しかし、PayPalをサポートし続けることによって決済率が向上することを示す証拠は一つもありませんでした。