(※この記事は、2023年2月14日に更新されました。)
「NPO設立ってどうやるの?」
「そもそもNPOを法人化する意味ってあるの?」
こうした疑問を持っている方は多いかもしれません。
現在さまざまな場面で活動するNPO団体は多く、法人格を取得してNPO法人となる団体も増えています。
一方でNPOを法人化する流れやメリットがわからず、法人化を躊躇している方もいるでしょう。
本記事ではNPO法人を設立する流れや、そのメリット・デメリットを解説します。
NPO法人の設立を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
NPOとNPO法人は設立方法が異なる
NPO(Non-Profit Organization:非営利団体)とは、社会貢献を目的とした団体のことです。
営利活動が目的ではないので、事業で得た収益は社会貢献のために使われます。
実は法人格を持たずにNPO活動を行う分には、手続きや届け出の必要はありません。
ただ組織として活動するなら、以下のものは準備しておくとよいでしょう。
・会則・規約
・予算
・事業計画
・会員名簿
一方でNPO法人を設立する場合は、法律に則った手続きが必要になります。
書類の提出から審査、登録まで一連の手続きを終えてはじめて、NPO法人を名乗れるのです。
NPO法人の設立要件
NPO法人とは「特定非営利活動法人」の略で、特定分野の活動を非営利で行っている法人を指します。
特定分野の活動とは、具体的には以下の20種類です。
引用:特定非営利活動法人(NPO法人)制度の概要 | NPOホームページ
設立要件の1つめは、活動目的が上記のいずれかに当てはまることです。
ほかにも人員について、宗教についてなどさまざまな要件があります。
引用:認証制度について | NPOホームページ
このように細かな設立要件が定められているため、まずはこれをクリアすることが法人設立の第一歩となります。
NPO法人設立の流れ
NPO法人を設立するには、どれだけ早くても3ヵ月はかかります。
あらかじめ流れを知っておくことで、効率的に準備ができるはずです。
手順①書類をそろえて申請する
まずは書類をそろえ、所轄庁へ申請します。
所轄庁は基本的に都道府県知事となりますが、場合によっては指定都市長ということもあるので、事前に確認しましょう。
必要書類は以下の10種類です。
引用:認証制度について | NPOホームページ
手順②縦覧【期間:2週間】
提出した書類は所轄庁によって縦覧に供され、期間中は市民が自由に閲覧できます。
縦覧期間はもともと1ヵ月でしたが、令和3年のNPO法改正により、2週間に短縮されました。
近年ではインターネットから閲覧できるケースも増えています。
補正期間中であれば、軽微な誤字脱字の修正等は可能です。
ただし縦覧が終わった後に書類を差し替えることはできませんので、不備のない状態で提出するよう心がけてください。
また、縦覧は設立時だけでなく、定款を変更する際にも行われます。
手順③審査【期間:最長2ヵ月】
縦覧期間が終わった後は、2ヵ月以内に審査が行われます。
審査の結果、認証または不認証が決まり、書面にて通達されます。
この期間は待ちの期間となるため、認証された場合に備えて登記の準備をしておくとよいでしょう。
手順④2週間以内に登記を行う
無事に認証されたら、2週間以内に登記を行う必要があります。
基本的には事務所の所在地を管轄している法務局で行いますが、別の事務所が他地区の管轄にある場合は、そちらの法務局でも登記を行ってください。
一般企業と異なり、法人登記に費用は必要ありません。
ただ、多くの書類が必要です。
・設立登記申請書
・設立認証書
・定款
・印鑑届出書
・印鑑証明書
このほかにも必要な書類があるので、早めに準備しておきましょう。
登記した日が法人登録日となります。
手順⑤登記完了届出書を所轄庁に提出する
登記が完了したら、完了したことを所轄庁に届け出なければなりません。
登記事項証明書や財産目録など、登記完了届出書以外にも必要な書類があるので、事前に所轄庁のホームページなどで確認しておきましょう。
ここまで完了すれば、晴れてNPO法人として活動できます。
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NPO法人を設立する3つのメリット
NPO法人を設立するには、時間も手間もかかります。
それでも多くのメリットが得られるため、法人化するNPO団体は多いのです。
メリット①社会的信頼性が高まる
NPO法人には「非営利活動をしている」「社会貢献をしている」というイメージが強く、一般のボランティア団体などと比較しても社会的信頼性は高いです。
法人としての実績を積んでいけば、さらに信頼性が高まっていくでしょう。
また法人化することで、団体名義での契約も可能になります。
・法人名義で銀行口座を作る
・事務所を法人名義で借りる
・法人名義で物品を購入する
たとえば上記のことができるようになるのも、NPO法人を設立するメリットといえます。
メリット②応募できる事業が増える
自治体からの委託事業を受けるには、法人格が必要です。
そのため任意団体では受けられなかった事業も、法人化していれば受けることができます。
応募できる事業が増えるだけでなく、助成金や補助金の申請も可能になるので、より活動の幅を広げることができるでしょう。
メリット③税制面での優遇がある
一般企業と比較して、NPO法人は税制面での優遇が大きいといえます。
たとえば一般企業であれば、すべての収入が収益とみなされ、課税の対象となります。
一方でNPO法人の場合、入会金や会費は収益と判断されず、課税対象とはなりません。
さらに収益事業を行っていないNPO法人であれば、法人住民税が免税されるケースもあります。
NPOを法人化することがデメリットとなる場合も
NPO法人にはメリットが多い反面、デメリットも存在します。
デメリット1:活動する分野が決まっている
設立時に定めた活動内容を変更するには、定款を変更して認証を受けねばなりません。
そのため一度法人化すると、事業内容を大きく変えることはできなくなります。
デメリット2:会計が複雑化する
収益事業とそれ以外の事業を明確に区別しなければならず、独特な会計が増えてしまいます。
財務状況は一般に公開する義務があるため、いい加減な処理をするわけにもいきません。
NPO法人には「仲間」と「透明性」が必要
NPO法人として認証されるためには、「理事3人以上、監事1人以上、職員10名以上」という要件があります。
つまり設立前の段階で、活動に賛同してくれる「仲間」を集めておかなければなりません。
「仲間がいない」という方向けに、インターネットではNPOのメンバーを募集しているサイトがあります。
自分の気になる団体があれば参加してみるのもよいですし、自分で団体を立ち上げるのもよいでしょう。
またNPO法人にとっては「透明性」も重要です。
市民の監督のもとで活動しているため、NPO法人には情報公開義務、報告義務があります。
事務作業の負担は大きいですが、透明度を保つことで法人の信頼度は高まるはずです。
NPO法人を設立したいなら事前の準備が大切
ここまでNPO法人を設立する流れやメリット、デメリットについて解説してきました。
NPO法人にはメリットが多い反面、設立するには時間や手間がかかります。
そのため流れを理解しておき、効率よく準備することが必要です。
早い段階で一緒に活動する仲間を見つけ、協力して準備を進めるとよいでしょう。