(※この記事は、2023年8月31日に更新されました。)
「ハッカソンとアイデアソンの違いは?」
「ハッカソンを開催してみたい!」
「優秀なエンジニアや開発者を採用する方法を探している」
上のようにお考えの方はいませんか?
本記事では、開発者やエンジニア、デザイナーなどが中心となって新たなサービスやコンテンツを開発するハッカソンというイベントについてご紹介いたします。
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目次
ソフトウェア開発を中心に行われている「ハッカソン」とは?
ハッカソン(Hackathon)は1999年頃、アメリカで生まれたといわれているソーシャルコーディングイベントです。開発者やエンジニアを中心とするコーディングに興味のある人が集まり、新たなソフトウェアやコンテンツを開発または改良します。日本では2011年に「Hack For Japan」という大規模なハッカソンが行われ、そこから広く知られるようになりました。海外ではGoogleやApple、国内では楽天やヤフーといった大手企業が積極的にハッカソンを行うようになり、近年ではベンチャー企業や教育機関まで、さまざまな場面でハッカソンを開催しています。
チームで期間内に開発を行い、成果を競うイベント
ハッカソンという言葉は、「ハック(Hack)」と「マラソン(Marathon」)を組み合わせた造語です。「ハック」はIT用語で「プログラムを改善する、改良する」という意味で、それをマラソンのように集中的に続けるイベントが「ハッカソン」です。ハッカソンの参加者はエンジニアや開発者、デザイナー、プログラマーなどで、さまざまな職種のメンバーが集まってチームを作ります。一般的なチームの人数は、最大で6人ほどです。
開催期間は短く、1日から数週間というケースが多いでしょう。ハッカソンではテーマが与えられるため、期間内にテーマに沿ったプログラムやアプリケーションなどを開発し、成果を競い合います。
ハッカソンの種類は大きく3つ!
ハッカソンは大きく3種類に分けられます。
一般ハッカソン:企業が外部に向けて開催。大規模になることが多い
社内ハッカソン:企業が社内に向けて開催。小規模で開催しやすい
産学連携ハッカソン:大学を中心とした教育機関と民間企業が連携して開催
最も多く開催されているのは一般ハッカソンですが、社員のスキルアップや部署間交流のために社内ハッカソンを行うケースも増えています。Facebookの「いいね!」機能も、社内ハッカソンで生まれました。
また2013年に東京工科大学と日本ベンチャーキャピタル株式会社が連携して「大学ハッカソン」を開催して以来、産学連携ハッカソンも増えています。今では大学や高専、高校など、多くの学校で開催されています。
他にもいろんなハッカソン
上で紹介した3種類の中でも様々なタイプのハッカソンがあります。
アプリのハッカソン(モバイルアプリ、API、OS、ウェブやビデオゲームなどのアプリケーション専用のハッカソン)
特定の産業ハッカソン(IT企業により開催されるものが多いですが、音楽や科学などの産業により開催されるハッカソン)
チャリティハッカソン(非営利団体やチャリティなどが取り組む問題の解決策の開発に取り組むハッカソン)
言語ハッカソン(言語やプログラミングのハッカソンは、特定のプログラミング言語やフレームワーク(例えばC++や.NETなど)を活用したアプリケーションを作成することに特化したハッカソン)
ハッカソンの基本的な構成
一般的なハッカソンの構成は以下の通りです:
イントロ:まずはハッカソンのテーマについて紹介を行います。
ルールの説明:主催者は、参加者に対してルールや規定、行動規範などについて説明します。
プロダクトのアイデアプレゼン:参加者は自分達の取り組みたいプロダクトのプレゼンをし、趣味やスキル、興味などに基づいてチームを作ります。
アイデアに取り組む:集まったチームで参加者はプロジェクトに取り組み始めます。
プロダクトの発表:プロジェクトのアイデアが具体化した後、チームは最終的なプロダクトを他の参加者や審査員に発表します。
審査と賞の授与:審査員パネルが優勝チームやプロジェクトを決め、賞を授与します。
ネットワーキングの機会:ハッカソンの最後には、他のチームの参加者とネットワーキングをすることができます。
ハッカソンとアイデアソンの違いは?
ハッカソンと似た言葉に「アイデアソン」があります。アイデアソンは「アイデア(Idea)」+「マラソン(Marathon)」の造語で、成果ではなくアイデアを競う点が特徴です。
また専門的な知識は不要なので、職種を問わず参加しやすいというメリットもあります。実際の開発は行わないため、多くの場合、ハッカソンよりも短期間で開催されるでしょう。
近年ではアイデアソンを単独のイベントとして開催することも増えてきました。一方、ハッカソンにおけるアイデア出しの一環として、アイデアソンが行われるケースも多いです。
ハッカソンを行う3つの目的
一般的なハッカソンは、特定のテーマが設定されそのテーマに沿って目標を達成するために行われます。しかし、これは参加者は既存の枠にとらわれないアイデアに低リスクな環境で主体的に取り組むことができるチャンスでもあります。成果を必ず出す必要のある仕事と違い、ハッカソンでは参加者は他の部署のチームメイトとコラボレーションし自由にアイデアに取り組むことができるでしょう。
①新サービスのアイデアやヒントを得る
ハッカソンは、オープンイノベーションの手法としても注目されています。技術やアイデアといった情報を企業内外で共有することで、新たなイノベーションの創出が期待できるのです。
特に一般ハッカソンには、さまざまな経験やスキルを持った参加者が集まります。互いに意見やアイデアを出すなかで、新たな発想が得られることもあるでしょう。それがオープンイノベーションにつながり、新しいサービスのアイデアやヒントとなるかもしれません。
②コミュニティを構築する
ハッカソンはチーム単位で行動するため、自然と参加者の間で交流が増えます。そのため企業外の参加者とつながりを持ったり、部署間の交流が生まれたりと、新たなコミュニティを構築することができるでしょう。
コミュニティが構築できれば、情報交換や連携がしやすくなるため、後のビジネスに役立ちます。場合によってはそのコミュニティがきっかけとなり、別の業務につながることもありますよ。
③人材を育成する
ハッカソンには専門知識を持つエンジニアも参加しているため、参加者はIT知識を深めることができます。また他職種の参加者と交流するなかで、担当外の業務に対する理解も深められるでしょう。
このように参加者のスキルアップにつながることから、人材育成を目的としてハッカソンを開催することも多いです。さらに社内ハッカソンの場合は、「自分が自社製品に関わっている」という意識が強まるので、帰属意識の向上にもつながります。
ハッカソンは主催者・参加者ともにメリットが大きい
ハッカソンには、主催者・参加者それぞれのメリットがあります。どんなメリットがあるか見ていきましょう。
ハッカソンを開催する主催者のメリット
ハッカソンを開催する主催者には、主に以下のようなメリットがあります。
1. 優秀な人材育成・確保
上述のとおり、ハッカソンは人材育成につながります。そのため社内ハッカソンは、勉強会の一環として開催されることも多いです。一般ハッカソンや産学連携ハッカソンの場合も、外部からの参加者と交流するなかでスキルの向上が見込めます。
さらにハッカソンでは、即戦力となる人材を見つけることも可能です。そのため採用活動の一つとしてハッカソンを開催するケースも増えており、人材確保の手段としても役立っています。
2. チームワークの向上
社内ハッカソンでは、普段関わらないチームや部署の人が集まってチームを作ります。さらに、チームで意見やアイデアを出し合って開発に取り組むため、社内の組織力、チームワークの向上につながります。
3. 企業の認知度向上
またハッカソンは、外部に向けて企業の商品や事業をPRする機会にもなります。「イノベーティブな企業」というイメージが付くのも、ハッカソンのメリットといえるでしょう。
4. オープンイノベーションに期待
社内のハッカソンでも、外部に向けて開催されるハッカソンでも、主催する企業はハッカソンを通して参加者の出すアイデアや意見を得ることができます。
ハッカソンに参加する参加者のメリット
参加者のメリットとしては、大きく3つ挙げられます。
1. ゼロから作る経験ができる
基本的にシステムやアプリケーションの開発を行う工程はいくつかに分かれており、一人が全工程を担うことはありません。一方ハッカソンでは、チームで全工程に取り組むため、ゼロから作り上げる経験ができます。
2. 業務の幅が広がる
少人数で取り組む場合、モチベーションアップにつながるうえ、業務の幅を広げることもできるでしょう。
3. 最新技術に触れられる
またハッカソンでは最新技術を扱うことも多く、専門家や経験者からレクチャーが受けられます。それによって参加者自身の技術や知見が広がるため、後の業務に活かせるのです。
【7STEP】ハッカソンのやり方を押さえよう
ハッカソンには多くのメリットがありますが、開催するには細かな準備が必要です。あらかじめハッカソンのやり方を確認しておき、実りのあるハッカソンにしましょう。
【STEP1】企画を立て、参加者を募集する
まずはハッカソンを開催するにあたり、必要な内容を決定します。
ハッカソンの種類
ハッカソン開催の目的
人数規模
少なくともこの3点を決めてから、参加者の募集に入りましょう。ハッカソンをスムーズに運営するためには、「初心者の参加は可能か」「開発経験はどのくらい必要か」「どんな職種を募集するのか」など、参加者層を細かく決めておく必要があります。ホームページやSNS、イベントサイトなどさまざまな募集ツールがあるので、参加者層に合ったものを選んでください。
【STEP2】必要な設備やスタッフを確保する
ハッカソンの開催には、事前準備が欠かせません。まずは開催方法や人数規模に応じた会場を選び、そのうえで以下の点に注意しましょう。
コンセントや机、イスの数は十分か
複数人が使ってもWi-Fi環境は安定するか
空調やトイレは整っているか
あわせてスタッフの確保も重要です。当日はモデレーターやチューターにくわえ、雑務をサポートしてくれるスタッフも必要となります。早い段階で必要人員を洗い出し、確保しておくと安心ですね。
【STEP3】テーマとチームを発表する
事前にテーマを発表している場合も、当日は改めてテーマについて説明する時間をとりましょう。簡単なプレゼンテーションを行えば、すべての参加者にハッカソンのテーマや目的を伝えることができます。
またチーム分けにおいては、なるべくスキルレベルが偏らないよう配慮してください。申込時にアンケートをとっておけば、事前にある程度チーム分けができるのでおすすめです。当日は参加状況に応じて人数調整を行ったうえで、チーム分けを発表しましょう。
【STEP4】批判NGでアイデアソンを行う
ハッカソンは、アイデアソンから始まるケースが多いです。そこで与えられたテーマに沿ってチーム内でアイデアを出し合い、一つに絞り込まなければなりません。
積極的にアイデアを出し合うのが理想的ですが、アイデアソンには「他者のアイデアを否定・批判しない」という大切なルールがあります。この点については、事前に主催者から話をしておくとよいでしょう。
【STEP5】適宜サポートしながらコーディングを行う
チーム内でアイデアが決まったら、実際のコーディングに入ります。ここをスムーズに運営するには、チューターによる適切なサポートが欠かせません。
モデレーターは、ハッカソン全体の雰囲気や進捗状況を見ておきましょう。場合によっては中間発表を行うと、流れにメリハリがつけられます。
【STEP6】成果を発表し合う
定められた期間が終了したところで、成果発表に移ります。ハッカソンによってさまざまな発表方法が取られますが、プレゼンテーションや口頭での説明を行うことが多いです。
よりイベント性を高めたければ、参加者による投票を行っても良いでしょう。参加者のモチベーション向上にもつながります。また、最も優れた成果物を事業化するケースもあります。
【STEP7】フォローアップで成果の共有を行う
ハッカソンは適切なフォローアップができなければ、ただのイベントとして終わってしまいます。またフォローアップを行うことで、次回以降のハッカソンにつなげることもできるでしょう。
イベント後にアンケートをとる、メールを送付するだけでなく、ハッカソンの結果をホームページやSNSで共有するのもよい方法です。ハッカソンの成果を事業化する場合、その進捗状況も報告するとよいですね。
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企業により開催されたハッカソンの事例3つ
ここでは、最新!企業により開催されたハッカソンの事例を3つご紹介いたします。上記でも説明したようにハッカソンの開催目的はそれぞれですが、新たなコンテンツの創出やオープンイノベーションなどがあります。
1. 株式会社博報堂キースリー(web3グローバルハッカソン)
博報堂キースリーは、ブロックチェーンなどの次世代インターネットの「web3」を日常生活へ普及することを目標に生活者が使いたくなるようなサービスや体験の開発を行うためにハッカソンを開催しています。2023年2月〜3月に開催されたハッカソンのテーマは、「企業内プロジェクト向けDAO支援ツールの開発」でした。
背景としては、近年企業では意思決定やチームメンバーの管理業務の増加により、管理職の業務が増加しているという課題があり、その課題をチームメンバーの自律的な活動、分散型自立組織(Decentralised Autonomous Organisation)を支援することによって解決しようというものです。協賛にトヨタ自動車株式会社を迎え、世界中のweb3エンジニアとブロックチェーンを活用した新しい業務効率化サービスの開発が行われました。
参考:博報堂キースリー、パートナー企業と共にハッカソン専門チーム 「KEY3 Hackathon Partners」を始動-「web3グローバルハッカソン2023」10月に開催-
2. PR TIMES (PR TIMES HACKATHON 2023 Summer)
エンジニアや開発者を目指す学生を対象に、3日間にわたるハッカソンがPR TIMESの本社で開催されました。PR TIMESは今までもハッカソンを開催してきた企業の1つで、今回のハッカソンもPR TIMESの開発職の新卒採用、そして自主的に行動する学生への成長の機会提供を目的とした内定直結のハッカソンでした。
このハッカソンでは、以前まであったPR TIMESのAPIを活用した機能の開発というオープンイノベーションのテーマをやめ、参加者の自由な発想でPR TIMESのサービスに関わる機能の開発に限定せず開発対象の幅をひろげました。
参考:PR TIMES、エンジニア志望学生を対象にしたハッカソン「PR TIMES HACKATHON 2023 Summer」を開催
3. アリババクラウド(#asobiHack_Tokyo)
#asobiHack_Tokyoは、アリババクラウドの主催するブロックチェーンゲームのハッカソンです。web3分野のクラウド製品を提供することで、web2からweb3へ移行する顧客企業を支援していくことを目的に開催されました。
ハッカソンの参加者は、ブロックチェーンを用いた面白く、持続的なコンテンツを両立させる新しいビジネスモデルの開発に取り組みました。最優秀賞に選ばれたのは、バトルロイヤルレースゲーム「Climbers」を発表した株式会社プラチナエッグのチームです。シンプルな操作性と持続的な経済設計が評価されています。
参考:アリババクラウド主催ブロックチェーンゲームハッカソン「#asobiHack_Tokyo」受賞者が発表
ハッカソンならDoorkeeper!
以上、本記事では、ハッカソンとは、ハッカソンを行うメリット、そして最新のハッカソン事例についてご紹介いたしました。
ハッカソンを開催することで、参加者、主催者ともに多くのメリットがあります。ハッカソンの開催をお考えの方は、イベント運営・管理ツールのDoorkeeperがおすすめです。
Doorkeeperはコミュニティベースのイベント運営・管理ツールでコミュニティメンバーにはイベントのお知らせメールなどを一斉送信することができます。他にも、グーグルカレンダーとの連携やQRコードチケット発行、フォトギャラリーなどイベントを開催する上で欠かせない機能が搭載されています。
コミュニティの開設と初回のイベント開催は無料でできるため気になった方はお気軽にお試しください。
おすすめ記事:ライトニングトークとは?テーマ例・資料作成・話し方のコツを解説
おすすめ記事:スクラムイベントとは?5つのイベントとスクラム開発を解説
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