2016-08-22(月)

ポール・マクマホンはDoorkeeperの共同設立者であり、現在は同社代表を務めています。2010年9月からはTokyo Rubyist Meetupも主催しています。

Doorkeeperが有料化へ移行することを発表した際、主催者の皆さまから予想以上の温かいご支援をいただくことができました。今後の励みとなるメッセージをくださった皆さま、そしてすでに有料プランへお申し込みくださった皆さま全員に心から感謝しています。また同時に多くのご質問もいただいていますので、現在の状況の説明と、これまでによくお寄せいただいているご質問にもお答えしたいと思います。

発表後の反響と現在の私たちの状況

Doorkeeperを有料化する上での私たちの目的は、Doorkeeperを継続可能なサービスにすること。つまり、来年の今頃までには、ホスティングやサポートなどにかかる経費、そしてフルタイムでDoorkeeperに携わるデベロッパーの報酬をカバーするのに十分な収益をDoorkeeperで上げることを、私たちのゴールとして掲げたのです。

現時点までのお申し込みで、発表以前よりもはるかに恵まれた環境を整えることができています。Doorkeeper始まって以来、初めて必要経費を上回る収益を上げることができており、フルタイムでDoorkeeperに携わるデベロッパーのための予算を確保するというゴールも少し見えてきました。私たちが期待していた通りの結果が出てきた今、継続可能なサービスにするという目標を達成することにも前向きに考えています。

主催者の皆さまからのお申し込みで直接的な収益を得られるようになった以外にも、コワーキングスペース茅場町Co-EdoがDoorkeeperコミュニティへのサポートを表明してくださり、YassLab社もDoorkeeperスポンサーシップを提供することを発表してくださいました。彼らの素晴らしいアイディアを、正式な方法でサポートできるよう私たちも取り組んでいきたいと考えています。もし、このようなDoorkeeperコミュニティのスポンサーシップやサポートに関心を持っておられたら、ぜひ私たちにご連絡ください。

価格をどのようにして決めたか

今回の発表後、なぜ現在の価格に決定したのかという質問をいただきました。様々な検討材料がありましたが、最終的には、Doorkeeperは外部から一切の資金を調達しない自己資金による起業ビジネスであるという事実に基づき決定しました。急速な成長よりも継続可能なビジネスを作り上げていくことを優先した価格設定とも言えます。

英語圏のコミュニティでは、自己資金だけでビジネスを作り上げていく上で参考となる資料などがたくさん手に入ります。もし自己資金ビジネスに興味があれば、私が好きな「Designing the Ideal Bootstrapped Business」や「Startups for the Rest of Us」は、ぜひ参考にしてください。日本では、自己資金による起業やビジネスに関するプレゼンテーションなどが盛んではないようですので、私たちの考えやアイディアを発表することで多くの人が学べる機会を提供したいとも思っています。

Doorkeeperがフリーミアムモデルを採用しなかった理由

ウェブサイトでよく採用されているビジネスモデルにフリーミアムがあります。基本的なサービスを無償で提供し、追加機能などを有料にするビジネスモデルで、Doorkeeperでもフリーミアムモデルを採用すべだった、(少なくとも最初は)有料化を望まない主催者には無料にすべきだった、などのご提案もありました。

新しい料金体系を検討する段階ではフリーミアムの採用なども検討しましたが、現時点の私たちにとって理想的ではないと判断しました。フリーミアムであれば、ユーザー数は飛躍的に増えたことでしょう。でも、今、私たちが掲げているゴールは急速な成長ではなく長く続けていけるビジネスです。完全有料サービスとすることでこそ、そのゴールを達成できるチャンスが増えるとの結論に至りました。

フリーミアムで成功するためには、膨大なユーザー数を有している必要があります。というのも、典型的なフリーミアムサービスでは全体のユーザーのうち数パーセントしか有料サービスを利用しないからです。もしDoorkeeperでフリーミアムを採用するとなれば、数百人の主催者に有料サービスを利用してもらうため、数万人単位で無料利用の主催者を獲得する必要がでてきます。このような差し迫る時間の中で、この数字はDoorkeeperが実現できるものではないと判断しました。

完全有料サービスとした場合、私たちのゴールを達成するために必要なのは毎月数十人の主催者に新規登録してもらうことです。イベント運営をスムーズにできるなら費用が発生してもいいと考えている主催者はその数字を上回るほど存在すると考えているので、このようなイベント主催者の要望に応えることに重点を置くことで私たちのゴール達成の可能性ははるかに高くなると思っています。

以上のことから、フリーミアムで成功するビジネスが存在することは十分理解した上で、今のDoorkeeperにとってそれが最善ではないと結論づけました。

単発イベントプランを提供しない理由

月額プランほかに、単発イベントプランを提供する予定があるか、ということもよく聞かれる質問です。今後は、月額プランへのお申し込み以外に単発イベントプランをご提供する予定はありません。

Doorkeeperでは、定期的にイベントを開催するコミュニティ主催者をこれまでずっと応援してきました。時には単発イベントや不定期に開催されるイベントのために利用する方もいましたが、そのような方は結局のところ、Doorkeeperの主要なユーザーにはなり得ませんでした。単発イベントプランを提供するということは、私たちが本当に大切にすべきユーザーへのサービスに注力できなくなるということを意味しており、今の私たちにはそこまで幅広いサービスを提供する余裕がない、というのが正直な思いです。

Doorkeeperでは、イベントを開催していない時期でもコミュニティ主催者に重宝してもらえるサービスも提供してきました。例えば、すでに終了したイベントをユーザーが見つけた場合、そのユーザーはコミュニティに参加することで次のイベントの案内を受け取ることができます。それにより、コミュニティメンバーは継続的に増えますから、コミュニティを長く運営すればするほど参加者を集めやすくなります。Doorkeeperは活動を続ける主催者の方をサポートしていますので、コミュニティ活動に応じた利用料をお支払いいただくのが理に適ったプラン設定だと考えています。

月額利用料が1,500円からの理由

今回提示した月額利用料は高すぎる、もっと安いプランを提供すべきだとのご意見もありました。

料金体系を検討する際、もっと安いプランについても考えました。しかし、有料化に賛成してくださる主催者の大半は、毎月1,500円の利用料を支払ってくれるとの考えに至りました。Doorkeeperを利用してくださる主催者の皆さまが私たちに望んでいることは、サービスを安売りすることでDoorkeeper自体が消えていってしまうことよりも、適した価格で長く提供できるサービスを作り上げていくことだと信じています。

また、この価格は主催者ごとにかかる経費を差し引いてDoorkeeperのマージンの額が適している境界点でもあります。Doorkeeperのマージンが数百円である価格設定をした場合も、数万人単位でそのプランへのお申し込みが必要になりますので、これもまた現実的ではないと判断しました。
最安プランが最適なプランとなるほどまでに、Doorkeeperが成長していくことを期待してはいますが、現状では、この価格設定が継続可能なビジネスに移行するために必要な価格であったことをご理解いただけると嬉しいです。

これからのDoorkeeper

当面の間は、有料化に伴う領収書の発行などの細かな雑務などを含め、少しずつ有料化後のサービス体制を整備していく必要があります。ビジネスプランに対応している請求書による支払いを希望されている法人ユーザーもおられます。また、新たに登録してくださる主催者の手続き手順にも、まだまだ改善の余地がありますので、より多くの新規登録者を迎えるためにも順次調整をしなければなりません。

また、これからは初めてコミュニティを運営する主催者が、これまで以上に成功できるようサポート面でも強化していきたいと考えています。Doorkeeperのコミュニティは、長く運営すればするほど、コミュニティは大きく成長し、より多くの新しい参加者を募りやすくなります。しかし、初めてのイベントでは期待通りの参加人数や運営を実現するのは難しいことも事実ですから、この最初の難関をクリアしてもらえるよう、私たちもサポートしていきたいと思います。

そして、新しい主催者だけではなく、すでにお申し込みいただいている皆さんのご要望もこれまで以上に積極的に聞いていきたいと考えています。もし、機能面でのご要望などがあれば、ぜひ教えてください!私たちがこれから誰のためにDoorkeeperを形作っていけばいいのかが明確になってきた今だからできるサービス・機能向上に精力的に励んでまいります。