Doorkeeper

日本Springユーザ会は趣味!10年以上変わらないコミュニティのカタチ。

長谷川裕一さん
日本Springユーザ会の会長

2001年に誕生したSpring Frameworkを日本で広めるべく、2006年から会長として日本Springユーザ会を主催する長谷川さんにお話を聞きました。

とりあえず始めてみた勉強会

「Springを仕事としてやりたいなと思っていたので、広めたいなと思って。私が中心になっていろんな人に声をかけて、コミュニティを作ったのが2006年です。」

2006年といえば、今のように勉強会は盛んには行われておらず、あったとしても企業主催のものがほとんど。個人で開催するにはどうすればいいのか、どうやって人を集めるのかなど、わからないことも多い中で「とりあえず立ち上げた」と長谷川さんは言います。

知り合いなど7〜8人に声をかけ、Googleでホームページやメーリングリストを作成。集めた仲間に「勉強会をやるってみんなに宣伝しよう」と伝えて、実行してみたところ、なんと口コミで40~50人が集まりました。SNSも発達していなかった頃にもかかわらず、すばらしい集客力です。一体、どんな人たちに声をかけたのでしょうか?

「当時、技術的にレベルの高いギークな感じの人に声をかけました。最初の頃に来ていた人は、ほとんどみんな顔見知りで、ギークな人しか来ていなかった気がします」という勉強会は、いつもアットホーム。床に寝っ転がっている人がいることもあれば、発表にヤジを飛ばす人がいたり。そのぐらい、当時は発表する人と聞く人の間の溝もなく、勉強会後の片付けもみんなが手伝ってくれたそう。日本Springユーザー会が今でも大事にしている「みんなで一緒に作っていく」カタチはこの頃からできあがっていきます。

低迷期でもブレないコミュニティのあり方

順調にスタートを切ったものの、次々に新しい技術が出てくるうちに人が集まらなくなった時期があります。そんな時、主催者としては焦ってしまいそうですが、「発表したいことがあれば発表する。好きなことを発表して、聞く人がいたら聞いてもらう。それでみんなで勉強したり、意見交換ができればいい」という長谷川さんの考えは、コミュニティが低迷してもブレることはありませんでした。「自分たちが面白いと思うことをしないと、つまらなくなってしまう」と、特別なことは何もしなかったそうです。

自分1人で調べられることには限界があるからこそ、周りの人に声をかけて、集まって、みんなで調べて、発表し合う。そうすることで勉強になるし楽しめる。そんな姿勢を崩さず、自分たちが好きなことを続けていくうちに、Springは再び盛り上がってきます。 増え続けるメンバーをメーリングリストだけで管理することが難しくなってきたことから、2015年にDoorkeeperを使い始めました。

入退室チェックが厳しい会場でも大丈夫

Doorkeeperを使い始めたもう一つの理由は、入退室のチェックが厳しい会場が増えたこと。来た人の名簿を提出しないといけない会場の時でも、Doorkeeperのチェックイン機能を使えば参加者リストを簡単に作成できます。また、イベント当日の受付では、10人中1人でも来ていないと参加率が60%ぐらいに感じてしまう時があるといいます。そんな時も、チェックイン機能でリアルタイムに実際の参加率を確認するなど、便利に使ってくれているそうです。

そんな日本Springユーザ会のイベントの平均出席率は80%以上。無料のイベントとしては、とても高い出席率ですが、特別なドタキャン防止策は取っていないというから驚きです。自分たちがおもしろいと思うことを続けるコミュニティであり続けること。そして、それを同じようにおもしろいと感じるメンバーが集まることが、高い出席率を維持する効果的な方法なのかもしれません。

定員800人のカンファレンスの運営も「なんとかなる」

現在、日本Springユーザ会では技術的なトピックに特化した月1回の勉強会のほか、Spring Festというカンファレンスが年に1回開催されています。Spring Festはスポンサーを集め、海外からスピーカーを招待する定員800人のイベント。小規模な勉強会とは異なり、様々な難しさがありそうですが、長谷川さんは「特にないです(笑)」と言います。

企画やスタッフとの打ち合わせは、毎月の勉強会の前に話し合うだけ。海外のスピーカーは、Springを作るPivotalの日本法人とスケジュール調整や人選をして決定。スポンサーにいたっては、メールを送ったり、人からの紹介で苦労なく集まり、最近ではスポンサーが多くなりすぎる心配が出てきているほど。客観的には大変そうなこれらの業務も、長谷川さんは「適当です(笑)私が適当な感じなんで、きっとスタッフの人も勝手に色々やってくれて、助けてくれてるんですよね」と言います。それでも、イベント当日までにはきちんと準備が整い、混乱もないとか。自然と周りの人を惹き込み巻き込める、明朗で楽しいお人柄のなせる業だと感じます。

長谷川さんいわく「昔ながらの勉強会」のままのやり方で、今も運営されているSpring Fest。人気プログラムの一つに、無料のお弁当付きランチセッションがあります。これまでの勉強会で力を貸してくれた中小企業の中には、30万円の正規のスポンサーフィーが負担になるところもありますが、その人たちの名前をどうにかしてスポンサーとして出してあげたいと考えて生まれた、ランチセッション。「お弁当代だったらそんなに負担もかからない」というアイディアにも、人とのつながりを大切にする長谷川さんらしさが表れています。

資産になる人間関係を築く大切さ

勉強会を始めようと思ったら、まずは勉強会に参加してみることも大切。日本Springユーザ会を立ち上げるまでに、長谷川さん自身も企業主催のカンファレンスなどにしょっちゅう参加していました。いろんな人とのつながりを構築したことが、貴重な資産となり、いざ自分がコミュニティを始めてみようと思った時には「周りにすごい人がたくさんいた」そうです。「勉強会をやりたいって思っても、今まで勉強会に出たこともなく、つながりもない中でやろうとすると、もしかするとうまくいかないかもしれませんね。そういった意味で、僕にはアドバンテージがあった」と言います。

「日本Springユーザ会は趣味でやっている」と長谷川さんは冗談めかしながら、これからコミュニティを立ち上げてみようと考えている人へは、「趣味の世界には悪い人はいない。そういう人たちといっぱい仲良くして、声かけたりして、自分の好きなことや勉強会をやればいいと思います」とのアドバイスが。

コミュニティを始めるのに必要なのは、使命感よりも、人とのつながりと楽しむ気持ち、そして「とりあえずやってみる」勇気かもしれませんね。

Doorkeeperでは、申し込み機能、メンバー管理、出欠管理などイベントを主催するために役立つ機能を豊富に提供しています。

Doorkeeperでコミュニティやイベントを運営すれば、参加者の管理や受付、支払いの管理などがぐっと簡単になり、これまで手間や時間がかかっていた作業をスムーズに実行できます。よりよいイベントの運営のため、Doorkeeperを使ってみませんか?