日本で2009年にローンチしたクラウド型ホームページ作成サービスジンドゥー。現在、日本国内60ヶ所にある公認コミュニティ「JimdoCafe」の運営支援などを行うジンドゥーの福島さんと長嶋さんに、お話を伺いました。
自発的に始まったジンドゥーコミュニティ
2019年現在、ジンドゥーを使って作られたホームページは約170万サイト。多くの人に支持されているジンドゥーですが、2009年に日本でローンチした際には、サービスのことを知ってもらうべく、全国各地のウェブ系コミュニティに足を運ぶなど、地道な活動をしていました。そのうち、「自分にジンドゥーが役立った。周りの人にも教えてあげたい」と思ってくれたユーザーにより、その地域で自発的にコミュニティが立ち上げられ、それが今では全国的に広がるコミュニティの礎になっているそうです。 ユーザー発のコミュニティとして徐々に地域に広がっていくとともに、このような場があることを、サービスとして他のユーザーにもきちんと伝えていきたいという思いから、2012年ごろからジンドゥー公認のコミュニティ「JimdoCafe」 として認定するように。運営方法は任せながら、運営に関する相談のできる場、運営者同士が交流を取れる場を準備するなど、コミュニティ運営支援も行うようにしていったそうです。 現在、ジンドゥー主催のイベントはもちろん、ジンドゥーと「JimdoCafe」が共催・協力をして開催する地域のイベントも Doorkeeperの「Jimdo Events」コミュニティを利用して 運営・管理をされています。
Doorkeeperの活用法
ジンドゥーでは、ユーザーへ最新情報や新機能などのお知らせをするメールマガジンを発行しており、時には主催イベントやコミュニティのイベントなども、メルマガで訴求しているそうです。ただ、様々な情報を届けるメルマガなので、情報が埋もれてしまったり、開催地域以外の人には関係のない情報になってしまいがちです。地域の情報を地域の人に届けるため、Doorkeeperでその地域で過去に開催したイベント単位でのメッセージ機能を利用し、情報を案内したこともあるそうです。長嶋さんによると、Doorkeeperのコミュニティメンバーリストに登録されている人は、イベントに参加することに関心が高い人が多いため、開封率も高めだそうです。 イベント前のリマインドメールや、イベント後の参加者の方へお礼を伝えるためにDoorkeeperのメッセージ機能を活用。参加してくれた人だけに送るべき情報も、メッセージの宛先を「参加者」にして配信できるので、フォローアップでの利用が特に便利だそうです。また、福島さんは、「Doorkeeperの問い合わせ機能がいいんです。誰に返信をしたかがステータス別に管理できて嬉しいです」と言います。特にJimdo Eventsコミュニティのように複数の管理者がいる場合には、他の管理者が返信したと思って対応漏れ、ということもありえます。問い合わせページでは「要対応」「対応済み」などのステータスが一目で確認できるので、担当者が不在の場合のフォローもしやすくなっています。
リアルなイベントを開催する大切さ
「サービスはウェブ上にあるだけでは広がらない」と言う長嶋さん。実際に使っている人から他の人へと伝わっていくことも、サービス普及には大事な要素の一つ。全国のユーザーと会えるイベントは利用者の生の声や親近感を持ってもらうという側面でも大事なタッチポイントだと言います。また、自分でホームページが運営できる反面、何かにつまづいた時に孤独にもなりがちですが、リアルなイベントなどを通じてサービスメンバーの顔を知っていたり、地域で人に会い、仲間ができれば、利用継続の理由の一つにもなると考えているのだとか。そういう観点から、イベントでは一方通行なセミナーにならないこと・満足度を提供できているかに留意しているとのこと。単純にサービスの紹介をするようなセミナーやイベントではなく、ホームページを所有した先に必要になる内容や、地域事情に合わせた内容などを時には地域のJimdoCafe運営者の方々や、外部の企業と協力して企画されることもあるそうです。さらに、参加者アンケート行い、イベントの中身の精度を高める工夫も怠りません。
伝わりやすいイベントページを作ること
おもしろいイベントを企画しても、それが伝わるイベントページを作れなければ参加者は集まりません。「せっかく来ていただいても、思ったのとちょっと違うと思われると、リピーターになってもらえないこともある」と福島さん。イベントに来てほしい人に伝えたい内容が、伝わりやすい文章でイベントページに記載されているかを確認すること。そして、参加者の目線で「惹きつけられるかどうか」を確認するとよさそうです。イベントページだけではなく、「メッセージを送る時も件名次第で興味を持ってもらえるかが変わる」と長嶋さんは言います。件名がスマートフォンでどんなふうに表示されるかなども含めて、「配信や公開前に見直して、シンプルだけどわかりやすい内容を作るのがいいと思います。」 実は、このインタビューは、福島さんがDoorkeeperでのコミュニティ運営メンバーに加わってすぐの頃に実施されました。「使い方とかをあまり知らなくても、結構簡単にイベントページも作れました。ログインして、こういう感じでって口頭でちょっと教えてもらえれば、大体わかったので」と、実感していただけたように、前任者から引き継ぐ際もマニュアルが必要ないくらい、Doorkeeperでは誰でも簡単にイベントページを作れます。でも、伝わりやすいページにできるかどうかは、主催者の努力と工夫次第だということですね。
2009年のローンチから10年にわたってファンを獲得し続けてきたジンドゥー。「参加者が集まる集らないにとらわれず、継続していくこともファンづくりには大事だと思います」と長嶋さんの言葉にも説得力があります。ジンドゥーの想いに共感してくれて、同じ気持ちで一緒に成長していってくれる人が増えることがコミュニティの成長だというお二人。今後のコミュニティのさらなる成長を予感できるお話でした。